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子どもも大人も多彩な個性
障害という言葉の障壁
この事業をスタートしてから、それまで私の知らなかった世界や知らなかったことに多く触れることができましたが、発達障害という言葉が障壁になり、適切なサポートを受けられる機会がなかったり、世の中の理解もまだまだ誤解が多く、もっとポジティブな面を発信していかないとなぁと常々思っています。
小学校児童100名のうち10名(10.4%)が、なんらかの発達障害に該当すると言われていて、医学界だけでなく教育界からも認識されるようになってきたそうです。発達障害のことが書いてある本も増えてきたように思います。
発達障害の根本は、脳機能の問題であると認識されています。私も以前は脳機能というと漠然として分かりにくかったのですが、例えば言語機能や運動機能、注意・集中や記憶、意欲、抑制、遂行機能(物事を計画通りに実行する)などがあります。
コアヴィレッジでは、幼稚園や保育園入園前であれば言葉が遅い、運動が苦手(歩き方がぎこちない・ジャンプできないなど)、幼稚園等に入ると動きが多い(多動)、集団活動が出来ない、お友達とうまく関われない、小学校に入学すると計算が苦手、字が覚えられないなどの発達の何らかの遅れや特性が見られた子どもたちがたくさん来られています。

我が家の次女も現在小学校2年生ですが、小学校に入ってから学習面での遅れが顕著に見られるようになり、カタカナはまだ全部書けません。引き算だって苦手です。先日WISC V(児童向けウェクスラー式知能検査*1)を行ったところ、それまで気づかなかった“既存の知識を応用して柔軟に問題解決をしていくことが苦手”という特性を知ることができました。
医師は“神経発達症”と、“特性”という言葉で教えてくださりました。
なるほど!と目から鱗になるものです。
多彩な個性を認め合おう
数多くの親御さんとお会いして感じたことは、我が子が発達に遅れや問題があるのでそれを何とかしたい。と訴えられるのは当然ながら、“お友達と上手くやれるようになってほしい”と願う親御さんばかりなんだなあと。みんな私が感じていた思いとまるで同じだってことです。でも、コアヴィレッジに通うまでに相談や手続きをする行政の管轄は、「障害福祉課」や「障害児相談窓口」と呼ばれていて、“障害”というワードが先行してしまっている。だから相談しないまま、一人で抱えて悩んでいる親御さんも多くいるわけです。みんなが持っている何かしらの特性が強めに出ていることで悩んでいて何とかならないかと調べた先に行きつく行政の窓口が「障害福祉」となれば、えっ!?となりますよね。
私は、この“障害”という言葉はない方が良いと思っています。
発達に遅れのある子どもも、多動な子どもも、こだわりが強い子どもも、そうでない子どもも、そして彼らの親御様も・・・
物事の認知(判断したり理解する過程やコミュニケーションの取り方)は、個人個人の偏りと言うものが実に多彩であることに気付かされたからです。
発達障害という言葉がなくなることはないかもしれません。しかし、その言葉によって必要な支援から遠ざかってしまう人が減り、「困った子」ではなく「困っている子」、「支援が必要な子」として理解される社会になってほしいと願っています。
子どもも大人も、一人ひとり違って当たり前。
その違いを認め合い、支え合える社会こそが、本当の意味で誰もが生きやすい社会なのではないでしょうか。
コアヴィレッジは、そんな社会の実現に少しでも貢献できる場所でありたいと思っています。


五藤博義
学習⽅法研究者
学習環境について⻑年、研究開発を続ける。複数の⾃治体で特別⽀援教育担当教員研修の講師や都⽴特別⽀援学校の外部専門員(アセスメント)を務めた。ベネッセコーポレーションニューメディア研究所⻑などを経て現在、レデックス株式会社代表取締役、主幹研究員。コアヴィレッジでの発達障害支援において全般的な監修を行う。
