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自閉スペクトラム症(ASD)について
発達障害は誰のせいでもない
発達障害(神経発達症)には、様々なタイプがあります。
それらは、親の育て方や子どものわがままで起きているものではありません。それぞれの特性を知らないと、誤解した上で子どもと親を追い詰めることになってしまうケースもあります。
ご家庭だけでなく、学校、周りの人たちが、それぞれの特性を、ある程度把握しておくことで、よりよい関わりが創造できます。
これから、それぞれの特性を簡単に解説していきますが、基盤の部分を読むと、もしかしたら自分も幼少期そうだったかもしれない。と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そういう私も、あてはまるところはありました。自分が学生時代に苦手だったことや辛く感じていたことは、特性によるものだったのか。と納得することもできました(笑)
つまり、発達障害という文字を見ると、どうしても「障害」という文字からとても悲観的になりがちですが、病気や症状ではなく、生まれもった特性であり、「個性」と捉えても良いものと考えています。
自閉スペクトラム症(ASD)の特徴(自閉症・アスペルガー症候群など)
今回は、発達障害のひとつ、自閉スペクトラム症(ASD)について簡単に解説していきます。
●特徴
① 社会的コミュニケーションの困り
② 行動や興味の偏り、同一的(こだわり)、反復的な言動等
●基盤
「わからない!」という恐怖に近い強い不安
●親の苦労
・早期の信頼関係樹立が困難
・理解してもらえないことの憤り
・キビキビしたものの言い方
・硬い印象を与える
●対応
・視覚入力を生かす構造化
・強制しない一貫性のある対応で安全性の提供を
・具体的に伝えること
・先の予定を伝える
可能性は無限大
あいまいなことが苦手なASDの子どもは、もしかしたら将来プログラミングなどの規則性のある職業を得意とするようになるかもしれませんし、高い集中力をもっているので、興味のあるものについてはとことん没頭して、驚くほど多くの知識を持つ傾向もあります。
ASDの特徴として、興味のある分野においては大きな功績を遺すこともあります。
「好き」を力に変えられる子どもたちが増えると良いですね。
五藤博義
学習⽅法研究者
学習環境について⻑年、研究開発を続ける。複数の⾃治体で特別⽀援教育担当教員研修の講師や都⽴特別⽀援学校の外部専門員(アセスメント)を務めた。ベネッセコーポレーションニューメディア研究所⻑などを経て現在、レデックス株式会社代表取締役、主幹研究員。コアヴィレッジでの発達障害支援において全般的な監修を行う。