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特性を特技に変える
子どもの夢の応援団
我が子が発達障害と診断されたり、その疑いを持ったりすると、色々と調べませんか?
調べるうちに、どんどんうちの子はどんな風に特徴を抑え込んだらよいのだろう。と、特徴に蓋をすることの方に焦点が向きませんでしたか?
コアヴィレッジに来られている保護者の方からも時折そんなお話を聞いたことがあります。
かくいう私も、子どもが多動傾向でしたから、「特徴が出ると嫌がられるかもしれない」「なんとかその特徴をおさえないと大変なことになる」なんてマイナスなことばかり考えていた時期がありました。
この事業をはじめて、さまざまな教育機関や医療機関の方に教えをいただいてきましたが、総じておっしゃるのが親御さんの理解を得ることが一番難しいということです。
親は、「普通になってほしい」と願ってしまうケースが殆どだそうです。
その気持ち、わかります。
できれば良い点数を取ってほしい、よく物を無くす癖もどうにかしたい、「また無くしたの?」って言いたくないですものね。そして、子どもを愛するからこそ、自分の生活より良い生活を送れるようになってほしいと求める。 良かれと思って。
でも、それは、子どもにとって苦しいことの方が多いのです。
そこで、「子どもの夢の応援団」 であるポジションになってみると、母親としてもとっても楽になりました。
こういう特性だから、普通級は諦めましょう的な意見もあるかもしれませんし、もしかしたら夫婦間やご家族で意見が分かれることもあるかもしれませんが、、
目の前の丁度よい目標を立てて、あとは夢を見ること。がとても大事だそうです。
専門家もおっしゃいますし、研究文献においても、ADHDやアスペルガーの当事者が幼児期から青年期にかけて絶望することでの不利益が語られています。
そんなこともあり、発達凸凹の子どもの強みを活かす教育を行う学校も増えているようです。
コアヴィレッジもそういう役割です。
ここに気付くまで、私は15年もかかりましたから、まだ未就学児の子をもつお母さん!小学生の子をもつお母さん!まだまだ先は長いですから、大丈夫ですよ。
積極的な情報収集を
今の時代は、私が育った昭和時代と違います。小学校からプログラミングや英語が必修科目になり、子どもを取り巻く環境も受験や学校選びに対する考え方も多様化しています。
また、日本を飛び出し海外にいくと、文化の違いから発達障害の方も生きやすいという話をよく聞きます。
日本では、集団主義が強調される文化があるのに比べて、欧米諸国では、個性を尊重する文化が根付いているためかもしれません。
日本でも、個別の支援が提供されるようになってきましたが、欧米諸国に比べると支援制度を利用するための手続きが煩雑であったり、支援内容に地域差があったりするため、保護者が自ら積極的に情報を集める必要があります。
ADHDやASDの長所
今回は、コアヴィレッジ監修者である五藤先生の出されているメルマガに書いてある発達障害の長所を抜粋します。こちらをお読みいただいて、是非長所も知ってください。
■ADHDの長所
・疲れを知らない、動き回れるパワーがある
・凡人には真似できない
ADHDの人は、じっくり取り組むことが苦手です。しかし、動き回ったり気分を変えたりすることが得意。ですから、それを活かせることができれば「才能」となります。
例えば、営業。 普通の人は10件、20件と連続して断られると、その後続けて電話をかけることができなくなってしまいます。ADHDの人はさらに電話をかけ続けることができるので、成果をどんどん出していきます。
実は、新聞記者やタレントさんはADHDの人がたくさんいるそうですよ。
■ASD(自閉スペクトラム症)の長所
子どものときには、集中力はそれほど必要とされないことで、大人になってから発揮されることが多いようですが、職業に生かせば「才能」となります。
技術者、音楽家、SE、研究者などが向いている職業だそうです。プログラマーや大学教授には自閉スペクトラム症が多数いらっしゃるとのことです。
おもしろいなと思った記事が他にもありますが、長くなるので、それはまた別のコラムにてご紹介します。
五藤博義
学習⽅法研究者
学習環境について⻑年、研究開発を続ける。複数の⾃治体で特別⽀援教育担当教員研修の講師や都⽴特別⽀援学校の外部専門員(アセスメント)を務めた。ベネッセコーポレーションニューメディア研究所⻑などを経て現在、レデックス株式会社代表取締役、主幹研究員。コアヴィレッジでの発達障害支援において全般的な監修を行う。