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注意欠如多動症(ADHD)について
発達障害は誰のせいでもない
発達障害(神経発達症)には、様々なタイプがあります。
それらは、親の育て方や子どものわがままで起きているものではありません。それぞれの特性を知らないと、誤解した上で子どもと親を追い詰めることになってしまうケースもあります。
ご家庭だけでなく、学校、周りの人たちが、それぞれの特性を、ある程度把握しておくことで、よりよい関わりが創造できます。
これから、それぞれの特性を簡単に解説していきますが、基盤の部分を読むと、もしかしたら自分も幼少期そうだったかもしれない。と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そういう私も、あてはまるところはありました。自分が学生時代に苦手だったことや辛く感じていたことは、特性によるものだったのか。と納得することもできました(笑)
つまり、発達障害という文字を見ると、どうしても「障害」という文字からとても悲観的になりがちですが、病気や症状ではなく、生まれもった特性であり、「個性」と捉えても良いものと考えています。
注意欠如多動症(ADHD)についての特徴
今回は、発達障害のひとつ、注意欠如多動症(ADHD)について簡単に解説していきます。
●特徴
①不注意(注意・集中することが苦手。忘れ物・失くし物が多い)
②多動―衝動(じっとする・静かにすることが苦手、我慢することが苦手)
●基盤
「わかっている」のに自己制御不能。うまくできないことのもどかしさ
●親の苦労
・常にイライラした関係性・周囲から非難を受けやすい
・自責と子への攻撃性
●対応
・行動統制のための表の利用
・自己評価を落とさないため「良い」評価とできることを保証
・親のサポート・薬物の利用
可能性は無限大
以上のADHDの特徴は全員に同じ現れ方をするわけではなく、不注意特性が現れやすかったり、多動・衝動性が現れやすかったり、どちらも同様に現れることもあり、人によって異なります。
生まれつきの脳の機能障害のため、完全に治すことは難しいのですが、環境や行動への介入や、薬物治療を組み合わせると効果的だと言われています。
書籍「ADHD2.0」によると、勉強する前に、家の階段を上り下りしたり、近所を走ったり、とにかく体を動かしてから行うようにすると、集中力があがることが紹介されています。
日常的な習慣にしてしまえば、強力なツールにもなりますね。
五藤博義
学習⽅法研究者
学習環境について⻑年、研究開発を続ける。複数の⾃治体で特別⽀援教育担当教員研修の講師や都⽴特別⽀援学校の外部専門員(アセスメント)を務めた。ベネッセコーポレーションニューメディア研究所⻑などを経て現在、レデックス株式会社代表取締役、主幹研究員。コアヴィレッジでの発達障害支援において全般的な監修を行う。