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学習障害(LD)について
発達障害は誰のせいでもない
発達障害(神経発達症)には、様々なタイプがあります。
それらは、親の育て方や子どものわがままで起きているものではありません。それぞれの特性を知らないと、誤解した上で子どもと親を追い詰めることになってしまうケースもあります。
ご家庭だけでなく、学校、周りの人たちが、それぞれの特性を、ある程度把握しておくことで、よりよい関わりが創造できます。
最後の回は、学習障害(LD)について簡単に解説していきます。
学習障害(読字障害、書字障害、算数障害)について
先に、考え方の基本となる2つの本質的な特徴として以下が紹介されています。
1.限局性であること
わかりやすくいうと、困難がピンポイントであることです。言語発達領域でいえば、言語発達のすべてに影響がでるものではなく、かなり限られたものであるという意味です。可視性は低くなり、学校や日常生活の中ではとてもわかりにくい部分があるようです。
2.持続的であること
学校や家庭で特別な援助を提供されたにもかかわらず、学習における進展が6カ月以上遅れていること。つまづきがなかなか改善されないことです。例えば、LDの子の場合、学習塾などで個別指導の効果が出ない場合、「本気になっていない」「そもそもやる気がない」など、怠けていることを理由に注意を受けることがあるかもしれません。子どもからしてみれば、すぐにできるようにならないから褒められない、間違ってると注意ばかりされるものですから学習が嫌になってしまうことも起こるかもしれません。
学習障害(読字障害、書字障害、算数障害)の特徴
下記は、それぞれ学習障害の簡単な特徴です。
●特徴
①読み(音読が遅く、良い間違える。読んでいる文字や文章の意味を理解することが難しい)
②書き(バランスのとれた文字を書くことが難しい。板書の速度が極端に遅い)
③計算(数の概念が身に付かない、計算を習得することが難しい、文章題が苦手)
●基盤
「なぜできないのだろう」「どうやらこれがバカということらしい」
●親の苦労
・わからない相手への関わり方にジレンマ(何が分からないのかが分かり得ない)
●対応
・疑似体験で関与する側の理解力のアップとわかることへの接近
・分かりやすい指導
・身体バランスの強化
・感情の表現と理解を促す
LDの子どもたちが大人になる頃への期待
別のコラムで、それぞれ読み、下記、計算の対応法を書いていきますが、読み・書きは、コンピューターの読み上げ機能を活かしたり、タブレットを用いた文章作成を活用することも有効なので、学習障害があるからと言っても現代はずいぶん生活しやすい環境になりました。
コアヴィレッジでは療育にタブレットや大画面タッチパネルを起用しておりますから、LDの子どもたちへの支援も充実しています。
子どもたちが大人になるころは、もっと便利になっているかもしれませんし、海外では色々なツールの開発が進められていますから、どんな有効なツールが出てくるんだろう?と考えるとワクワクしませんか。
五藤博義
学習⽅法研究者
学習環境について⻑年、研究開発を続ける。複数の⾃治体で特別⽀援教育担当教員研修の講師や都⽴特別⽀援学校の外部専門員(アセスメント)を務めた。ベネッセコーポレーションニューメディア研究所⻑などを経て現在、レデックス株式会社代表取締役、主幹研究員。コアヴィレッジでの発達障害支援において全般的な監修を行う。